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ブックオフに古着を買いに行こう

BOOKOFF SUPER BAZAAR 409号川崎港町店の外観

オレンジがひときわ目を引くカラーリングのブックオフは、ただ店内でぼーっと商品を眺めているだけで、何でもない一日を薄く色づけてくれるような不思議な魅力があります。

本やCD、ゲームソフトなど自分が欲しかったものと出会えますし、商品は常に移り変わっていくのでいつ来ても飽きることがありません。

そんなブックオフですが、店舗によっては古着も取り扱っています。すごい。あと食べ物と寝るところがあったら全てが完結してしまいますね。

ブックオフの看板の前に立つライターの神田

さて、突然ですがブックオフに来ました。ライターの神田(こうだ)です。

私はあまり服に頓着せず、いつも同じ服ばかり着ているので私服にバリエーションがありません。とは言えショップで店員さんに薦められるがままにあまり欲しくない服を買ってしまうのはイヤですし、ファストファッションのようなものではなく、ちょっと人と違うものがほしいという気持ちもあります。わがまま?

今回は、そんな私を見かねた『ブックオフをたちよみ!』編集部から「ブックオフって本だけじゃなく実は服も買えるからぜひ来てね」とお話をいただいたので、ありがたく服を見に来ました。

しかし、私がこのまま漫然とブックオフで古着を選んでも灰色と黒の服しか買わないので、特別にスタイリストさんをお呼びして自分に似合う服をコーディネートしてもらえることになりました。やった!

6つのテーマでスタイリングをしてもらう

腕組みをするスタイリストのTAKUYAさん
そんなところでスタイリストさんと合流しました。

スタイリスト TAKUYAさん
主にファッション雑誌を中心にカタログ、俳優のスタイリングなど活動の幅は多岐にわたる。アメカジ(アメリカンカジュアル)スタイルが得意。

今回企画に協力いただいたのはスタイリストのTAKUYAさん。普段はファッション誌でモデルのコーディネートをされています。まさかプロのスタイリストに服を選んでいただけるとはね。

スマートフォンを一緒に見るライターとスタイリスト

それではさっそくブックオフで売っている服を使って、コーディネートを組んでいただきます。まずはテーマの説明から。

テーマの説明

それぞれ、私が普段着ないジャンルの服装や、着てみたい服装をお願いさせていただきました。さっそく店内で服のセットを始めていきます。

店内でスタイリング開始!

服を選ぶライターとスタイリスト
真剣な眼(まなこ)で選んでいくTAKUYAさん。

神田 自分のために服を選んでいただいているところ恐縮なんですが、TAKUYAさんはブックオフに来られたことありますか?

TAKUYA 家の近くにあったのでよく行ってましたね。服に関して言えば、ショップとは比較にならないくらいアイテム数が多いので、自分の好きなタイプの服装を見つけやすいのは魅力だと思います。

神田 なるほど。普通のアパレルショップだと同系統のアイテムでまとまりがちですが、ブックオフだとストリート系やミリタリー系などいろんなテイストの服をミックスして試すことができるのは特徴ですよね。

TAKUYAさんが普段服を選ぶときはどういうポイントに気をつけていますか?

TAKUYA 色合いやアイテム種別も要素のひとつですが、やはりサイズ感が一番重要ですね。そこをミスってしまうとどうしても野暮ったくなってしまいます。反面、サイズ感さえ間違えなければどんな服装でもしっくりハマりますよ。

神田 サイズ感……。もうちょっと具体的に言うとどういうことでしょうか。

TAKUYA ジャストサイズじゃなくて、程よくゆとりのあるワンサイズ上のものを選ぶといいでしょう。そうすると体のラインが強調されすぎず、こなれた雰囲気が出てきます。パンツもぴっちりしたものよりかは、すねのあたりに1段2段ほどシワができるものだとちょうどいいサイズといえますね。

緑ストライプの服を着るライター
袖の長さはいいんだけど……。

TAKUYA あ〜、胸のあたりがちょっと張っちゃってるね。これはちょっと別のにしよう。

神田 適度にゆとりがある服のほうがいいということですね。今まで無理やり着ちゃってたな。

インナー1枚のライター・神田

神田 私は178センチ78キロ。昔ラグビーをやっていたこともあり体格はいいほうなので、着れる服のジャンルが結構限られている気がします。体格いい人はどういう系統の服を着るとしっくりハマりやすいんでしょうか。

TAKUYA 基本的には好きな服を着ればいいと思いますが、ミリタリー系やアウトドア系は定番ですね。無骨な雰囲気が体格と合うのではないでしょうか。でも、大事なのは何よりもサイズ感ですね。

神田 じゃあこれからブックオフで服を選ぶとしたら、まず徹底して自分のサイズに合う服を選べばいいということですね。

TAKUYA そういうことですね。たとえ110円の服でも、サイズ感さえ合っていれば全体がぐっと引き締まってスマートに見えます。一概に高い服を着ればいいというわけでもありません。自分の体格にあった服を揃えておけば、それを軸に他のスタイルに着回すことができます。その点でいろんな服を試着できるブックオフは自分に合う服を見つけやすいので、どんどんチャレンジするといいと思います。

6種類のコーディネートを実践

試着室に入っていくライターの神田

TAKUYAさんに6種類のコーディネートを揃えてもらい、どんどん着用していきます。母親以外の誰かに服を選んでもらう経験がなかったので、なんだか新鮮な感覚です。

①ワンツーコーデ

ワンツーコーデにサングラスをかけたライターの神田
Tops:¥2,080(Tommy Hilfiger)、Bottoms:¥1,780(Banana Republic)、Shoes:¥6,080(EYTYS)、Glasses:¥1,580 ※記事内の価格は全て税込み表示となっております。

●コーディネートのポイント
TAKUYA:トップスにパンツを主役に2アイテムでシンプルに組むワンツーコーデ。
ポイントは全体的に緩めな縦のラインを作ることです。普段の自分のサイズよりもワンサイズ緩めのアイテムを合わせれば完成すると思います。

神田 わ〜、自分じゃないみたいですごい。サングラスってあんまりかけたことないんですが、こんな感じになるんですね。シャツは首元がきつくなるのであまり着ないんですが、こうやってシンプルにまとまるなら合わせるのも楽だしシチュエーションを選ばないと思いました。

②柄ものを使用したコーディネート

柄ものを使用したコーディネート
Inner:¥6,080(Supreme)、Tops:¥2,080、Bottoms:¥810、Shoes:¥4,080(G.H.BASS)、Bag:¥2,080

●コーディネートのポイント
TAKUYA:柄ものアイテムを選ぶときは、ごちゃごちゃしたものではなくシンプルなパンツを合わせるといいでしょう。
明るい色の場合はインナーを暗めにして、暗い色の場合は逆のパターンで合わせると小洒落て見えます。

神田 柄ものは普段合わせ方があまりわからなくて着ないんですが、パンツをシンプルにすると柄が服装のアクセントになっていいなと思いました。色合いって赤とか青とかじゃなく、明るい・暗いの尺度で捉えたほうが楽ですね。敬遠せずに柄もの買ってどんどん着ます。

③フォーマルな場面を想定したコーディネート

フォーマルな場面を想定したコーディネート
Inner:¥1,380(BEAMS)、Tops:¥510(UNIQLO)、Outer:¥12,000(BARBOUR)、Bottoms:¥2,080(Denime)、Shoes:¥6,080(REGAL)

●コーディネートのポイント
TAKUYA:挑戦しやすいネイビートーンでまとめて上品に仕上げました。
ハイゲージニットから見えるインナーの白Tシャツと革靴で、都会的に仕上げているのがポイントです。

神田 ネイビーカラーでまとめるとすっきりしていいですね。あまり今の生活だとフォーマルな服装をするシチュエーションはないのですが、首元に白を入れるとパリッとした印象があるので今後取り入れたいです。

④全身で1万円のコーディネート

全身で1万円コーディネート
Tops:¥3,080(Jil Sander)、Outer:¥4,080、Bottoms:¥1,780、Shoes:¥1,380

●コーディネートのポイント
TAKUYA:オールブラックスタイル。
少々真似しづらいコーデですが安いアイテムなので色々なことに挑戦できるのがポイントです。
レザージャケットやナイロンシャツ、デニムなど全てが異素材のアイテムを合わせることにより、同じ色味でも表情が変わってモードに仕上がります。
そこに古いシューズによく見られるスクエアトゥ(四角いつま先)のレザーシューズを合わせています。バレンシアガやマーティンローズなどのデザイナーブランドにもよく見られるシューズで、そこからインスパイアされたマトリックス風コーデになっています。

スクエアトゥ(四角いつま先)のレザーシューズ

神田 ブックオフのコスパがものすごいです。異素材で合わせたことで高級感もあり、とても1万円で揃えたとは思えません。光沢のあるシャツはJil Sanderで、本来であれば2、3万円はするであろうアイテムが3,000円台で入手できるのはかなりの掘り出し物なのではないでしょうか。全身黒のスタイルがマンガ『餓狼伝』の久我重明のようで気に入っています。

⑤スポーツカジュアルスタイルのコーディネート

スポーツカジュアルスタイルのコーディネート
Inner:¥810(GAP)、Outer:¥5,080(Stussy)、Bottoms:¥2,080(Denime)、Shoes:¥1,380(New Balance)、Bag:¥8,080(patagonia)

●コーディネートのポイント
TAKUYA:色合わせがポイントです。上半身は発色のいいグリーンに同じく発色のいいオレンジの小物を合わせ、下半身はあえて抑えめにしています。お店にあるような90年代コーディネートです。

神田 私は機能的な服が好きなので、反射板がついた服は夜に自転車に乗るときに重宝しそうです。原色系の明るい服を着るときは、発色のいいビビッドな小物を合わせて全体のバランスを取るといいんですね。色の合わせ方の参考になりました。

⑥帽子やアクセサリー類など、小物を活かしたコーディネート

帽子やアクセサリー類など、小物を活かしたコーディネート
Inner:¥5,528(Supreme)、Tops:¥2,080、Bottoms:¥1,780、Shoes:¥1,780(NIKE)、Cap:¥510

●コーディネートのポイント
TAKUYA:光沢のあるナイロンパンツにオレンジのパーカーを合わせたB-BOYスタイル(※1)です。パーカーはXLサイズを選び、TシャツもXLサイズを合わせてルーズなテイストにしています。足元はボリュームのあるスニーカーを選ぶと全体のバランスが取りやすいです。

※1「B-BOYスタイル」
ヒップホップ系ファッションのこと

神田 普段は帽子かぶらないのですが、髪を帽子の中に入れるだけでぐっと印象が変わりますね。ビッグサイズのパーカーだと体型も隠せてゆるく着れるので楽です。上半身にボリュームがある服を着るときは、足元にボリュームのある靴を合わせるとより良いということがわかりました。

ちなみに。BOOKOFF SUPER BAZAAR 409号川崎港町店の品揃えは半端なかった。

ブックオフの買取窓口

実は今回、スタイリストさんが到着するまでに時間があったので(早く着きすぎた)、店内を散策して自分の着たい服装のイメージを固めていたんですが……。

今回訪れた「BOOKOFF SUPER BAZAAR 409号川崎港町店」は売場面積が1,400坪あり、本や古着、ベビーカーからサーフボードまでたくさんの商品を取り扱っています。1,400坪は約2,794枚の畳を並べた数なので恐ろしい広さです。

両サイドにメンズアパレルが並ぶ店舗の通路
突き当りに見える棚から更に10列以上続く。暴力的な物量。

メンズファッションコーナーがかなり充実しており、専用の買取カウンターが設置され、専属スタッフが常駐しています。向こうにいる人が見えないくらい奥行きがある。ここでかくれんぼしたらまず見つからないでしょう。トップスからズボンまで、ほとんどのアイテムが揃っています。

Supremeのタグ

私はヒカキンさんが好きなブランドという印象しかないのですが、「Supreme」など人気ブランドの取り扱いもあります。通常であれば店舗に行かないと試せない服でも、ブックオフであれば気軽に試着できるのは大きな魅力といえるでしょう。

ハイブランド以外にもノーブランドの安価な服も多く陳列されていて、安いものだと110円から購入できるのでジュースを買う感覚で買い物ができます。

 Nikeのシューズが並んだ棚

スニーカーも棚にずらりと並びます。NIKEやnew balance、VANSなどさまざまなブランドのものがありました。普段手に取らないような靴でも履いてみると意外としっくりくる、なんてことも。スニーカーマニアにとっては掘り出し物の宝庫かもしれませんね。

ブーツの並ぶ棚
店員さん、心をこめて磨いてくれてありがとうなあ!
ブックオフの試着室

BOOKOFF SUPER BAZAAR 409号川崎港町店では試着室も用意されていました。

ショップで試着して店員さんに感想を聞かれたとき、どう答えればいいのかわからなくて「まあぼちぼちっすわ」と強がって変な空気になり、商品を買い損ねた経験がある身としては、こうして自由に自分の着たいものを試せる空間はとてもありがたいです。

レディースファッションの棚
気が遠くなるような物量。更にこれが何列も続く。

もちろんメンズファッションだけではなく、レディースファッションも充実しています。また、バッグや帽子などの小物類も充実しているので、全体のバランスを見ながらコーディネートを楽しむことができそうです。

子ども用フォーマルウェアが並ぶ棚

子ども用フォーマルウェアの用意も。着る機会が少ない割に値段が張るものなので、ブックオフで買えるのはありがたいですね。
それにしても休日のファッションから冠婚葬祭まで、ブックオフでほぼ全てのシチュエーションの服が揃うのすごすぎる。まさかここまで品揃えが充実しているとは思いませんでした。

乳幼児用の服が並ぶ棚

赤ちゃん用の服まである。だんだん怖くなってきたな。

生まれてから死ぬまでの服装のほとんどをブックオフでまかなえてしまう。そして役目を終えた服はまたブックオフに売られ、また誰かがその服を買っていく……。人生における衣服の全てがブックオフでぐるぐると渦巻いています。

ここまでラインナップが充実していたら辻斬りのように服を試着できるので、好みの服、手を出さなかったけど実は似合う服など、服と自分のいろんな可能性に気づくことができるでしょう。

陶器類が並ぶ棚

あとは立派な壺や陶器が並んだコーナーもありました。

余談ですが私はこういう場所に来ると、もし急に怪物が私の体を乗っ取って、ラリアットで棚のものを床に叩き落としはじめたらどうしようと気が気じゃないので、あまり近づかないようにしています。皆さんもブックオフに来るときは気をつけてください。

新しいスタイルを発見する場所、ブックオフ。

ライターの神田とスタイリストのTAKUYAの並んだカット
撮影は4時間の長丁場!ありがとうございました……。

さて、ちゃんと店舗の紹介もしたので本題に戻ります。

今回の感想ですが、6つのコーディネートを着用しカメラの前でいろいろかっこつけてみるのは新鮮な体験でした。あらためてスタイリストさんはすごいなと思いましたし、ブックオフの無尽蔵の品揃えに圧倒されました。

あまり服に興味がなくても、本やCDを探すのと同じくお気に入りの一着を見つけるのはとても楽しいものですし、ブックオフが新たな自分の好みやスタイルを発見する場所としてもっとカジュアルに服を選んでいいんだと背中を押された気持ちになりました。

とりあえず着られればいいやという人も、いつもと違う服装にチャレンジしたいという人もブックオフの古着はおすすめですよ!

商品の入ったかごを持つ神田

私は今回一番気に入ったオールブラックスタイルのコーディネート一式を購入して、ここぞというときに着用することにします。

 袋をもって店を出る神田

おわり

TEXT:神田
STYLING:TAKUYA
PHOTO:宇佐美亮

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