ブックオフの為に愛知県に行く日
「ブックオフにボードゲームカフェがあるんですよ!!!」
「ボードゲームカフェは現在3店舗あるんですが、その全てが愛知にあるんです!!!」
「ぜひ取材してみませんか!?」
前回日本一大きいブックオフについての記事を頼まれた時にも思ったけど、ブックオフ担当の人ってどうして世界がブックオフに興味津々だと思っているのでしょうか。
というわけでこんにちは、愛知県にある「BOOKOFF PLUS 長久手グリーンロード店」にやって来ました。めちゃくちゃスタッフを募集してる。
アクセスは、東京から名古屋まで新幹線で約1時間半。そして名古屋駅からは約40分ほど。
電車やLinimo(リニモ)というリニアモーターカーに乗って杁ヶ池(いりがいけ)公園駅に辿り着きます。初めて乗りました。
リニモの杁ヶ池公園駅2番出口からは徒歩5分ほど。まあまあな長旅でした。
ブックオフにボードゲームカフェがあるのは知らなかった。
私自身ボードゲームは大好きで、100個くらい所持しているし、ボードゲームカフェにもよく行く。
だからこそ、だからこそ、ブックオフのボードゲームカフェと聞いてもそんなに期待していなかった。名古屋に関しては「行ってもすることないな~」とだけ思っていた。
早速、ブックオフのボードゲームカフェに入ってみよう
いざ入店。料金は結構リーズナブルだが、さあどんな感じなのか。
まあイメージでは蛍光灯の明るいフロアに椅子と机が雑に置いてあって、「ボードゲームコーナー」みたいに書いてあって、中古のボードゲームがちょっと遊べるとかそんな感じでしょうか。
おおお!?
めっちゃキレイだ! 照明もいい!
全ての棚にぎゅうぎゅうに敷き詰められている……都内のボードゲームカフェとかこの半分くらいしか無いぞ……?
ちゃんとドリンクホルダーがあって、しかもマットはオリジナルだ……。
何で限定版がボードゲームカフェに置いてあるんだ!?
この救急箱みたいなのは「パンデミック」という名作ボードゲームの10周年記念版で、中身が豪華になっている。定価の4倍くらいの値段がするし限定版はやや希少なので、普通こういうのは皆が触れるボードゲームカフェには置かれない。なんなら隣に通常版も置いてあるのに。
プレイ時間ごとにソートされているので見つけやすい。
それにしてもすごいラインナップだ、聞くところによると827タイトルもあるらしい。一般的なボードゲームカフェって300タイトル前後が多い印象だけど、2倍以上も。
かなりすごかった。悪い意味でなめていたのでいい意味で裏切られた。
間違いなく、この店の上層部にボードゲーム狂いの人間がいる。
担当者に話を聞いてみた
というわけでおそらくボードゲーム狂いであろう店長さんと、さらにその上の統括エリアマネージャーさんに話を聞いてみることにした。
伊藤誠(写真左)
名古屋市内を中心に18店舗を統括するエリアマネージャー。好きなボドゲタイトルは「ノイ」「ドメモ」「クアルト! 」「かなカナ」「グレートウエスタントレイル」
橋本元気(写真右)
BOOKOFF PLUS 長久手グリーンロード店の店長。好きなボドゲタイトルは「エバーデール」「ル・アーブル」「プロジェクトL」「ラブレター(Love Letter)」「ゴブレットゴブラーズ」
伊藤さん:ありがとうございます。やりすぎたかもしれません。
マキヤ:どうしてブックオフにボードゲームカフェが出来たのですか?
伊藤さん:3年前くらいに 名古屋支社の支社長から「ボードゲーム強化だ!」みたいなことを言われたのがキッカケですね。それまでは私も橋本もボードゲームをやったことすらなかったんですよ。
橋本さん:そうですね。
マキヤ:そうなんですか!? でも、この空間は相当ボードゲーム好きじゃないと作れないと思いました。そこからかなりボードゲームをやったんじゃないですか?
橋本さん:やってみたらすごい面白くて。
伊藤さん:ハマっちゃったよね。
マキヤ:楽しいですよね。
伊藤さん:楽しいけどちょっと触れる機会がないというか、専門店ってハードルが少し高いので、ブックオフみたいにハードルが低くてファミリー向けでも遊べたり出来る空間があったらいいよねってことで誕生しました。
橋本さん:おかげさまでファミリー層や学生さん中心にご利用いただいてます。
マキヤ:確かにボードゲームカフェって少し入りづらいところありますね……ここは照明とかもいい感じですよね、改装されたんですか?
橋本さん:いえ、ここは元々ブランド品などを置いていたコーナーで、明るさがいい感じの場所だったので撤去してカフェにしました。
マキヤ:(笑)。仕入れるボードゲームはどのように選んでるんですか?
橋本さん:主に私が、新作を中心にファミリー・学生さんが短時間で楽しめるものを選んでます!
伊藤さん:人気ゲームの棚を設けたり、時間ごとに仕分けたりしているので遊びやすくなっています。
マキヤ:そうなんですね!
マキヤ:……いや、あれ、まさか……。
伊藤さん:どうしました?
マキヤ:「所要時間:1日」って書いてあるヤバいやつありますよ。
伊藤さん:ほら、やっぱりコアな人向けのボドゲもね、用意しないと。
マキヤ:コアな人でもやりますかねこれ、営業時間内に終わらないじゃないですか。
橋本さん:そうですね……(プレイ途中の)写真とか撮ってもらって、状態を保存してもらって……。
マキヤ:ええ……このゲームやる人いるんですか?
伊藤さん:これやってる人は……見たことないかなあ……。
マキヤ:あとさっきチラッと見えたカタンも3Dのやつですよね、初めて見ました。
橋本さん:これは4万円くらいしましたね……。
伊藤さん:みんなこれで遊びたいかなと思って……。
マキヤ:すごすぎる。狂気ともいえる熱意がブックオフにこの場所を生み出してるんですね。ちなみに827タイトルってかなりすごいと思うんですけど、偉い人に止められたりしないんですか?
橋本さん:はい、最近STOPがかかりました。そして実は、表に出していないものも含めると900タイトル以上あります。
マキヤ:めちゃくちゃ面白い。でもここならファミリーからマニアックな層まで全員満足できますね。
伊藤さん:そう思います! やったことないって人もやってみたら絶対面白いってなるので、ぜひ遊んでみてほしいですね。
担当者おすすめのボードゲームを教えてもらった
というわけで、2人のおすすめゲームで遊んでみることに。
ボードゲーム初心者の方が楽しめるゲームを紹介してもらいました!
ザ・マインド
伊藤さん:私のおすすめはこれですね、「ザ・マインド」。「ボードゲーム初めて!」って方にもうってつけです。
ルールは超簡単! 皆でクリアを目指す協力ゲームです。
① 1~100までの数字が書かれたカードが1枚ずつ配られる。
② それを皆で数字が小さい順に出せれば成功!
③ ただし、喋ってはいけないし、身振り手振りとかもしてはいけない。手番があるわけではなく、「自分の持っているカードが場の中で一番小さい……!」と思った人から順番に出していく。
クリアしたら次は手持ちのカードが2枚になったりして、だんだんレベルが上がっていくぞ!
ちなみにお店ではルールがわからないゲームも店員さんがわかりやすく解説してくれるので、気軽に楽しめます。
何故か同行していた『ブックオフをたちよみ!』の担当さんたちも「やりたい!」となって5人でプレイ(4人用のゲームです)。
これ本当にシンプルなのによく出来たゲームで、手番とかもなく自分のカードが小さい数字だと思ったら出すだけなんですが……。
「2」とか、自分が一番小さい数字だなと思えるカードなら楽に出せるんですけど、仮に「50」のカードとかだとしばらくヒントが無いわけです。カードはランダムに配られるので、50が5人の中で一番小さいカードの可能性もあります。
経過時間からの推理(しばらく経ったが誰も出さない……俺なのか……?)みたいなことや、「表情・仕草・雰囲気」などから察して、勇気を出してみたり、遠慮してみたりして、全員でカードを紡いでいく。
この非言語のコミュニケーションで協力し合っていく感じが、ハラハラもするし本当に楽しい。
ちなみに成功するとこうなります。僕も何度かやったことあるのですが、必ず毎回こうなります。気持ちいい瞬間です。
失敗しても皆で笑ったりして終わるだけなので、初対面の人でも友人同士でも楽しめる良いゲームだと思います。何よりルールが簡単なのがいい。
2回戦目からはカメラマンさんも「僕もやりたい!」と参加していました。そう思ってしまうくらい良い雰囲気で進むゲームです。僕が正面にいますがこの写真は誰がどう使う想定だったんでしょうか。
ドメモ
橋本さん:私からはこちらをおすすめします。
こちらもルールがすごく簡単!
① 自分からは見えないように、手札となる数字タイルを並べる(5人でやる場合の手札は4枚。人数に応じて変更)。
② タイルは1~7まであり、それぞれの数字に対応した枚数分のタイルがある(1なら1枚、2なら2枚など)。
③ 余りの札8枚のうち4枚はオープン、残りの4枚を伏せる。
④ 1枚ずつ自分の手札を言い当てていき、いち早く全部当てれば勝ち!
言い当てる時は左隣の人に「7ありますか?」などと聞いて、あったら聞かれた人が倒してあげるルール。ちなみに複数あっても1枚ずつしか倒せません。なので最短でも4ターン。
推理力の競争みたいな部分もあるのですが、(2が2枚見えているから俺に2はないな)(この景色でこの人が4あるか聞いたってことは、俺に4がないのか……?)みたいに、相手の宣言から推測したり、慣れてきたら宣言自体をブラフに使ったり多様な戦い方が出来る点がかなり面白い。
白Tの人が自信満々に「はっはっは、ズバリ、3ですね?」と聞いて「3は無いです」と言われてるシーン。
その後も色んなゲームをして過ごしました。ボードゲームは本当に色んな種類があって、どんな年代の人でも自分にハマるゲームが見つかることが魅力の1つかなと思います。
初対面の人とも盛り上がるので、小さいゲームがカバンに入ってたら意外と役立つシーンがあったりします。
ボードゲーム担当者の野望
マキヤ:めちゃくちゃ楽しかったです。ブックオフでストローのドリンクを飲むのはなんか新鮮ですね。
橋本さん:コアなお客様に長丁場のゲームをゆっくり楽しんでいただけるよう、ドリンクメニューも力を入れてます。
マキヤ:ブックオフでボードゲームカフェを始めると聞いた時、周囲の社員さんたちはどんな反応だったんですか?
伊藤さん:「なにそれ?」「大丈夫?」みたいな反応が多かったなあ。
マキヤ:知らない方も多いですものね、それはどう解決したんですか?
伊藤さん:そう言ってた人を全員ここに呼んで一緒にボードゲームした。
マキヤ:最高ですね。
橋本さん:みんな「面白い!」「これは流行る!」みたいになってくれました。
伊藤さん:ちょっと大人しかった子が活躍したり、普段と違う顔が見れたのもよかったなあ。
マキヤ:購入できる商品もすごく充実してる。ブックオフってボードゲームの買取もやってるんですね。
橋本さん:ボードゲームの買取は店舗によりますが、対象店舗ではちゃんと査定させていただいてます。
伊藤さん:2021年の秋からゲームマーケット(※国内最大規模のアナログゲームイベント)にもブックオフとして出店し、そこで買取と販売もやってたんですよ。来場者にはノベルティでオリジナルボードゲームも配って。
マキヤ:すごい……ブックオフにボードゲームのイメージを持っていなかったのですが、今日で完全に覆りました。最高のボードゲームカフェでした。
伊藤さん:今はボードゲームカフェがある店舗は愛知の3店舗だけですが、いずれは全国にボードゲームカフェのあるブックオフを作りたいですね。それが僕の野望かな。
おわりに
担当者の凄まじいボードゲーム愛によって、最高のボードゲームカフェがブックオフに誕生したんですね。
ちなみに愛知県では置いてあるボードゲーム数は違いますがBOOKOFF SUPER BAZAAR 栄スカイル店、BOOKOFF SUPER BAZAAR 248号西友岡崎店でもボードゲームカフェが楽しめます。
早く全国のブックオフでも遊べる日が来るといいですね。
余談ですがせっかく愛知県に来たので、味噌煮込みうどんを食べてサウナが有名なウェルビーというカプセルホテルに泊まり、翌日のお昼にうなぎを食べるという王道な名古屋観光をしました。
夕方くらいの新幹線で帰る予定だったのですが、名古屋の人がよく言う現象に陥りました。
「名古屋来ても何もすることないよ」
僕は1人なのであれでしたが、友達とかと名古屋に来てマジですることなかったらフラッとボードゲームカフェに立ち寄って遊ぶのも意外と思い出になるし、いいのではないでしょうか。
リニアモーターカーに乗った先に、最高のボードゲームカフェがあるぞ。
BOOKOFF PLUS 長久手グリーンロード店 店舗詳細
住所:〒480-1122 愛知県長久手市城屋敷1212
アクセス:リニモ杁ヶ池公園駅2番出口から徒歩5分 駐車場有 35台
Tel:0561-64-2081
営業時間:10:00~22:00
料金:500円~
HP:https://www.bookoff.co.jp/shop/shop20224.html
【ボドゲするなら・買うなら・売るならブックオフ】
https://www.bookoff.co.jp/buy/bodoge/shop/shop20224.html
TEXT:マキヤ
PHOTO:井川拓也
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