お話を聞いたのは:長谷川孝さん
ブックオフコーポレーション株式会社執行役員 兼 ブックオフ商品部長
2002年4月にブックオフに入社。現在は商品部長としてブックオフを支える。
日本全国のブックオフの面積を合わせると?
――長谷川さん、本日はよろしくお願いいたします。ブックオフ、それにしてもたくさんありますよね。
――あの巨大テーマパークと同じ大きさになるとは、少し驚きました(笑)
そうですね(笑)。
――日々新しく店舗を増やしているブックオフですが、新店舗の場所はどのように決めているのでしょうか。
直営店舗の場合、まず全国で出店候補地域を選定します。そして、候補地域の中で、店舗開発部が物件を探します。地域責任者と協議の上、「ここやったらお客さんめっちゃ来てくれるんちゃうん? よっしゃ!」となったら出店するという形ですね。
――そういえば、ブックオフは海外にも出店されてるんですよね?
アメリカに「BOOKOFF」を9店舗、マレーシアでは独自のリユース店舗「Jalan Jalan Japan」を計5店舗と、計14店舗を出店しています。フランスにも現地加盟店の店舗がありますね。
――海外にもそんなにあったとは……。ちなみに、どんな商品がよく売れているんですか?
日本と同じく本がメインの商材のため、最も流通の多いのも本です。累計すると Stephen King(スティーブン・キング)の作品が一番多く売れていると思います。
ブックオフの利用客数って?
――販売客数が6,800万人に買取客数が1,500万人、非常に大きな数ですが、計算するとイラストのようになりました。
実際にはレジがいくつもあるので285年もかからないのですが(笑)。本当に多くのお客様にご利用いただいていて大変感謝しております。徳川吉宗公、すごく喜ばれてますね(笑)。
ブックオフで本ってどれくらい売れているの?
――本もコミックも1億点以上売買……。想像もつかないような数字ですね。
ええ。日本全体の年間の新品の本の(書籍、雑誌)販売冊数は約15億冊。ブックオフの中古の販売冊数(一部新品を含む)は約2億冊。冊数ベースでは、本の流通の1割強を占めています。
――これだけの数の商品が日々動いているとすると、店員さんが売れ筋の商品を把握するのも難しいんじゃないですか?
以前は売れ筋の本は店長などがアンテナを張っていないと把握ができず苦労しましたね。そのため今は売れ筋などの情報をデータとして管理し、特設棚に展開する商品などの情報発信を行っています。
――販売点数でトレカ(トレーディングカードゲーム)が本、コミックに次いで3位というのにも驚きました。ちなみにいまはどんなカードが人気なんですか?
デュエルマスターズが大人気で、販売点数の約3割以上を占めています。
――デュエルマスターズ! 今でも人気なんですね! それにしても、書籍だけでなく、本当に様々なジャンルの商品が売買されています。
そうですね。ブックオフは、売ってくださるお客様のおかげで成り立っています。入社時に教わった「買取は生命線」という基本は今後も変わらないでしょうから、今後も「どうやったら売っていただけるか?」を考え続けることが重要です。
ブックオフでは何が売れているの?オリコンランキングと比較!
■コミックの売上比較
――ブックオフとオリコンの売上ランキングは一致していないところが多いですね。
コミックはいま流行りのものが人気で、それ以外の書籍はロングセラーが上位を占めます。世の中にたくさんあるものが入ってくるというのは全て同じですが、販売につながるかどうかは商材によってタイミングが少し変わりますね。
――本が流行してからブックオフで売れ筋商品の棚にくるまでのタイムラグは、どのくらいの感覚でしょうか?
読んですぐ売ってくださるのでしょう、コミックは新刊販売月の仕入が一番多いんです。ただ、販売にもすぐにつながるため、在庫はたまりません。一方、活字の本は発売後3か月でピークを迎え、それ以降は横ばいになります。
――CDはどうでしょう?
ブックオフでは「懐かしさ」を買われる人が多いのではないでしょうか。過去に販売が多かったものの寿命をブックオフで延ばすことで、より多くの人に届けられていると思います。
ブックオフで働いている人ってどんな人?
――アンケート結果をもとに、「平均的なブックオフ店員」のイラストを作成してみました。下のイラストは、ブックオフ店員の方の平均的な特性を表したものです。
性別や年齢に関わらず幅広い方に働いていただいている弊社ですが、実際にこのイラストの店員に似ている人は何人も思い当たります(笑)。可愛いイラストですね(笑)。
――ありがとうございます(笑)。数字に関しても興味深いデータがあります。さすがブックオフ社員の方、みなさん本をたくさん読まれています。
年間300冊以上読破って、ゴイスーですね。コミックの話になりますが、子どものころは「漫画ばっか読んでないで宿題しなさい!」とよく怒られたものです。でも、大人になって漫画から得られるものの多さに気が付きました。もし自分の子どもが小学生なら『スラムダンク』、中学生になったら『課長 島耕作』シリーズを買い与えるとします。
――おすすめの作品までありがとうございます(笑)。仕事以外で「やまびこ(※1)」しちゃう社員さんも半分くらいいるようです。長谷川さん自身はどうですか?
※1「やまびこ」
「『いらっしゃいませ』が店員さんによって連鎖する様子」活気ある店内にする他、お客さんに店員の場所を知ってもらう、防犯になる、などの役目もはたす。
家族に聞いたのですが、「いらっしゃいませこんにちは!」と寝言で叫んでいたことがあるようです。
――職業病……! 他にも寝言で叫ぶ社員さんがいるかもですね(笑)。最後に、これからのブックオフについて一言、メッセージをお願いいたします!
電子書籍が流行ると紙の書籍が……といわれて早10年。iPad、Kobo、Kindleが出て少しびくびくしてましたが、世の中的にもうまくブックオフを「併用」してもらっていると感じています。先ほどもお話ししましたが、「どうやったらお客様に売っていただけるか?」を考え続け、世の中のニーズを感じつつ、新たなサービスを創り続けられればと思っています!
――ありがとうございました! ブックオフを数字で見ることで、意外に知らなかったようなことをたくさん聞くことができました!
ありがとうございました!
TEXT:ブックオフをたちよみ!編集部
イラスト:ひげラク図絵社
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今年で創業30周年になるブックオフですが、利用してくださるお客様を始め、多くのスタッフに支えられてここまで店舗数を伸ばすことができました。大変感謝しております。