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マレーシアを中心に展開するリユースショップJalan Jalan Japan(以下JJJ)。国内のブックオフで買い取らせていただいた商品などを輸出して販売につなげており、現地で大変ご好評をいただいています。

現地法人BOK MARKETING SDN.BHD.は、2016年の創業以来、人と地球に優しい取り組みを続けてきました。一体どんなことに取り組んでいるのでしょうか。※以下のインタビューは2022年11月時点の情報です。

BOK MARKETING SDN.BHD.代表の守隨大地さん。

BOK MARKETING SDN.BHD.代表
守隨大地さん

2002年にブックオフコーポレーション株式会社に入社。BOOKOFF PLUS 西五反田店など数店のほか、英語力を生かしてBOOKOFF ニューヨーク西45丁目店やUSA本部にも勤務。現在はR室マレーシア事業推進グループのグループ長 兼 BOK MARKETING SDN.BHD.の代表。

透明性を意識  サステナブルな企業を目指して

JJJはリユースショップで、ブックオフと異なるのは「買取」をしていないところですね。国内のブックオフで販売しきれなかったアパレル4,821トンのうち600トン、雑貨5,000トンのうち1,700トンを販売しており、グループ全体の廃棄量削減に大きく貢献しています。事業そのものがとてもサステナブルなのですが、公立病院にマスクを寄付したり、女性マネージャーを積極的に登用したり、性の多様性を尊重してアピアランス(服装など)にも自由度を持たせりして、社会と人に貢献・尊重する取り組みを意識しています。

マレーシアの首都クアラルンプール南郊外にあるJJJのKIP MALL店。
マレーシアの首都クアラルンプール南郊外にあるJJJのKIP MALL店。現在はマレーシアで10店舗、カザフスタン共和国で2店舗を展開しており、年間で約 100 万人以上のお客様にご利用いただいています(2023年10月時点)。

また私たちは、月1回「オレンジャーズデー」を設けています。オレンジャーズとはJJJの従業員のこと(オレンジ色の看板に由来)。この日は「SDGsプロジェクトチーム」に発表をしてもらうのですが「マイボトルプロジェクト」という取り組みがあるんです。ジュースばかり飲んで糖尿病になってしまうスタッフが多いので、水を飲む習慣をつけてほしくて、繰り返し使えるサステナブルなストローカップを一人ひとりに配りました。「居場所がある」「大切にされているんだ」と感じてほしいとも思いまして、名前を付けたカップを店に置いてもらってます。

守隨さんがJJJのスタッフに配った、繰り返し使えるサステナブルなストローカップ。
繰り返し使えるストローカップには、スタッフの名前が入っています。

この日は従業員の誕生日を祝ったり、キャリアパスについて発表したり、会社としてのあるべき姿をみんなで考えたりもします。ここマレーシアは日本ほど生活水準が高くなくて、雇用主から悪条件で働かされる人も少なくないんですよね。だからこそ、会社の透明性はすごく意識しています。

従業員や孤児院の支援もスタート!

「ジュースばかり飲んでしまう」という話をしましたが、食べるものに困っている従業員もいたりします。お腹が空きすぎて泣き出してしまったり、空腹のあまり朝礼で倒れる人が現れたり。ですので、JJJの倉庫に「ミルトンホール」という教会ほどの広さがあるスペースを作り、そこでパンとジャムを出すようになったんです。今では朝にサンドイッチを、昼にシェフによるおいしい食事を無料で提供するようになりました。

食事を提供するミルトンホール。
食事を提供するミルトンホール。

また、ユニセフのTABLE FOR TWO(食の不均衡を整えるための食生活改善の促進・寄付事業)に倣い、毎月孤児院を訪問して、子供たちと一緒に食事をしています。その後自社バスで送迎して、JJJで 1人100リンギット(3千円ほど)の買い物を無料で楽しんでもらう。シャンプーなども寄付しています。いろいろな事情を抱えた子供たちにも「社会って温かいんだな」と思ってもらいたいんですよね。最近はお客様にもFacebookで支援を募り始めました。 今はまだ2か所なのですが、ゆくゆくは100か所に広げたいと思っています(2023年9月時点では8か所に増)。

JJJの従業員に、マレーシアNo.1の生活水準を

マレーシアは従業員の獲得競争が激しくて、人材派遣会社をいくつも使って労働者を確保している企業もあるほどです。でも、そういうことはしたくないんですよ。お金を払って強制的に働いてもらうのではなくて「いい会社だな、ここで働きたい」と思ってもらえる企業にしないと意味がないんです。孤児院を卒業する子は毎年2~3人いますが、JJJには仕事も寮もあるので受け入れが可能です。我々も働いてもらえたらありがたいですし、そういう意味では孤児院の継続的な支援をして企業姿勢を伝えることには、大きな意義があると思っています。

従業員にできる限りのことをするのも、同じ理由です。みんなに「選んでもらえる良い会社」にしたいんです。根底には「JJJで働いてくれている社員に報いたい」という想いがあるからですね。

JJJにご来店いただいた笑顔のお客様の様子。
お客様をはじめ、スタッフにも、社会にも、皆さんに喜んでいただける会社でありたいとのこと。

初期のブックオフのように、JJJはまだ知名度がありません、従業員の親御さんにも「入社してよかった」と思ってもらえる会社にしたいので「マレーシアNo.1 の生活水準を提供する会社を目指している」と明言していますし、これからも人財を大切にする会社であり続けたいです。

※本記事は社内報BOOKOFF LIFE 2022年冬号(vol.160)の記事を編集したものです。

ブックオフグループホールディングス公式サイト
ブックオフが考えるサステナビリティ 「環境」
https://www.bookoffgroup.co.jp/sustainability/environment.html

TEXT:伊藤奈緒子
PHOTO:守隨大地さんより提供
取材:米本敦美
協力:ブックオフをたちよみ!編集部

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